ガイドラインでのフィナステリドの評価
日本皮膚科学会が発毛手法のガイドラインを公開しており、その結論としてフィナステリドは最高の推奨度Aとして評価されています。(日本皮膚科学会ガイドラインを徹底解説①結論編でも紹介)
今回はなぜ、フィナステリドが推奨度Aの評価なのかその科学的根拠もガイドラインには記載されていますので、それを解説していきます。
評価内容
ガイドラインではいくつものフィナステリドを用いた実験結果の論文を取り上げています。
- 3,927 名の男性被験者を対象とした 観察期間 12 カ月~24 カ月以上のシステマティック・ レビュー
- 414 名の「日本人」男性被験者を対象とした 観察期間 48 週間のランダム化比較試験
- 801 名の「日本人」男性被験者を対象とした観察研究
- 27名の男性のQOL評価
- 副作用についての非ランダム化比較試験
- PSAに関する観察結果
- 女性型脱毛症に対してのフィナステリドのランダム化比較試験
いくつかピックアップして内容を見てみましょう。
3,927 名の男性被験者を対象とした 観察期間 12 カ月~24 カ月以上のシステマティック・ レビュー
システマティックレビューとは、過去の論文をデータ分析して検証するものです。
発毛効果に対しては確かな結果がでています。
ただ、副作用についても分析されており、性機能障害が相対危険度は1.39とフィナステリド服用していると増加しているとの結果となりました。
801 名の「日本人」男性被験者を対象とした観察研究
長期服用でも改善効果が見られました。さらに進行具合が浅いほどより効果が高いことが示されています。
27名の男性のQOL評価
QOLとはQuality of Lifeの略で、薄毛が進行している人の生活の質がどのように変化するのかを検証したものになります。
フォナステリドを投与された男性のQOLを示すVisual Analog Scale(VAS)や、Dermatology Life Quality Index(DLQI)の指標がいずれも改善しました。
このことは、投与された男性が主観的に感じる生活の質にもつながったことを示しています。
まとめ
ガイドラインでは、フィナステリドに関する論文を取り上げ、データを正確に提示しつつ、効果の高さや副作用の影響を総合的に評価し、「A:行うよう強く勧める」と評価していました。
効果の高さだけでなく、しっかりと副作用についても検証していました。自分が服用するものなのでしっかりと知っておくことは大事です。
そうした知識があれば、他の根拠のない薬に騙されなくくなりますし、フィナステリドを服用する際の医者への相談もより有意義になると思います。
(※本ブログではフィナステリド(商品名:プロペシアなど)は、病院で処方してもらうことを推奨しています。)