日本皮膚科学会ガイドラインを徹底解説③ミノキシジル外用編

概要

日本皮膚科学会が発毛手法のガイドラインを公開しており、その結論としてフィナステリドの他に「ミノキシジルの外用」も最高の推奨度Aとして評価されています。(日本皮膚科学会ガイドラインを徹底解説①結論編でも紹介)
今回はミノキシジルの外用が推奨度Aとなっている根拠などをガイドラインから紐解いていきます。

内容

ミノキシジル外用の効果

ガイドラインではミノキシジル外用の効果について、男性型脱毛症に対しては4件、女性型脱毛症に対しては3件の研究結果を取り上げています。
そのすべての結果で、何もしていない場合(偽薬投与)に比べて、ミノキシジル外用が効果があると証明されています。

そのうちの一つの研究結果を取り上げます。

被験者393名による試験で、脱毛部の1c㎡の毛髪の増加量をプラセボ(効果のない偽薬)、ミノキシジル2%、ミノキシジル5%をそれぞれ48週間投与した結果を比較したグラフです。
プラセボよりも、ミノキシジル投与(2%、5%)の方が明らかな増加が認められています。
さらにミノキシジルの2%よりも5%と、濃度がより高い方がさらに増加しているという結果が得られました。

副作用

ガイドラインではミノキシジル外用の副作用についても述べられています。

  • 皮膚のかゆみ
  • 皮膚のあかみ
  • 皮膚の剥がれ、フケ
  • 皮膚のかぶれ
  • 顔面の多毛
    ※ガイドラインでは専門用語で述べられていますので、一部簡単な用語にしています

これらの副作用の発現率は高くはありません。ガイドラインでは「ミノキシジル5%」で、発現率6%程度という研究結果を紹介しています。

また、被験者の中にはミノキシジルではなく、塗るための溶媒(アルコール)のパッチテスト(アレルギー確認)でも陽性反応が示されたことからミノキシジル成分だけがこれらの副作用を引き起こしているとは限らないとの見解も述べられています。

初期脱毛

男女ともにミノキシジル外用初期に、休止期脱毛が見られるということです。
これはいわゆる初期脱毛といわれるものです。これ自体は問題ではありません。むしろ髪が今後増えてくるための重要なステップといえます。
しかし、これによって患者が使用を中止してしまう恐れがあるため、患者への説明が必要と記載されています。言い換えれば、使用者がしっかりと初期脱毛について理解しつつ、使用を続けることが発毛には大事であるということです。

結論

複数の研究結果、副作用や初期脱毛についても網羅的に検証された内容でした。
ミノキシジル外用は長期戦(4ヶ月以上継続で効果が出始める)なので、こうした内容を理解してモチベーションを維持しつつ使用していきましょう。

ミノキシジル外用の商品はこちら。ブログ主も愛用中です。